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人妻の90%は旦那のことを「もう好きじゃない」

7月23日放送の『解決!ナイナイアンサー』(日本テレビ系)で、タレントの千秋(41)が「離婚は浮気より健全。むしろおめでたいこと」と主張したことが波紋を呼んでいる。

 この回のテーマは「離婚のお悩み」。パネラーは相原勇、秋野暢子、杉田かおる、千秋、つちやかおり、室井佑月の6名だった。今も布川敏和との結婚生活を継続しているつちや以外は全員離婚経験者だ。千秋は、「離婚成立はおめでたいこと」「相思相愛の夫婦は10%しかいない。みんな不倫している」と持論を展開。Twitterではそんな彼女の主張に共感の声がある一方で、

「離婚成立でおめでとうて言ってたけど全然めでたくない」
「ただ結婚に失敗しただけだろうが。そんなの自慢するなよ」
「離婚したことを後ろ向きに考えないことは良いと思うけど、離婚が良いというのは間違ってる!」
「結婚式で神父に『生涯愛することを誓います』なんて言っちゃってんのに吐き気がする」
「何が離婚して晴ればれだ。子供のこと思ったら、成人するまで我慢すればいいじゃないか」

 といった批判的なつぶやきも多かった。

90%の人妻が夫のことを「もう好きじゃない」

 千秋は2009年にココリコ遠藤章造と結婚、一女をもうけたが、07年に離婚した。そんな彼女にとって、「離婚はワクワクする感じ」だったという。

千秋「世の中は結婚したら大成功でおめでとう、離婚したら不幸の真っただ中でマイナスなことと見られている。でも私の見解では、離婚は『次のステージ』でワクワクする感じ。離婚が成立したときには、高校受験で合格発表もらったみたいに『やったー』ってスッとした」

 離婚成立の翌日、女友達が集まって彼女をお祝いをしてくれ、用意されたケーキには「HappyNewLife!」と書いてあったという。その言葉を見て、「これこれ、まさにこれ!」と千秋は快哉を叫んだそうだ。

 また、千秋は、離婚経験者として、芸能界で離婚を考えているという人からの相談をよく受ける。その際、離婚成立した相手に「おめでとう」とメールをすると、「まさにそういう気持ちなんです! 表向きには言えないけど、やっと離婚できました」と喜ばれるという。「だから離婚して本当に落ち込んでいる女の人、一人も聞いたことないです。これは芸能人に限らず、一般のお友達でもそう」と、彼女はあくまでも強気だ。

 さらに千秋は「これから言うことは男の人にとっては怖いかもしれないけど、一般のお友達の本当の事情です」と前置きして「妻たちの浮気の実態」を明かし始めた。いわく、

・本当に旦那さんのことが好きで相思相愛の夫婦は、10%しかいない
・残り90%の妻はもう好きじゃない
・そのうちの約50%は、旦那さんを好きじゃないどころか、他に好きな人がいる
・さらにそのうちの約30~40%は、彼氏もいる

 これには司会のナインティナインも驚愕で、新婚の矢部が「それ、不倫やんか」とツッコミ、恋愛に潔癖な岡村に「ジャパン終わったな」と冷笑されても、千秋は不倫トークを続ける。

千秋「みんな本当にすごいいっぱいいるんですよ。SNSもそうだし同窓会もそうだし、自分の気持ち次第で出会うところはいくらでもあって。子供が眠っていて旦那さんが会社に行っている間に1時間もあれば、誰とでも繋がるんだよ。その気になればすぐ。だからダブル不倫も多いし」

 極めつきは「多摩ニュータウンの怪」だ。千秋が「多摩ニュータウンのお友達」から聞いた話だというが、多摩ニュータウンに住むその人妻が5人のママ友とお茶していたときに、「実は私彼氏がいるんです」と打ち明けた。彼女は驚かれるかなと思ったが、「私も」「私もいる」とみんな言い始め、逆に驚いたというものだ。杉田かおるが「多摩ニュータウンって、(高速道路の)インターが近いからラブホテルが多いのよ」と補足していた。

延々続く不倫トークにげんなりした顔で「無理。しんどいわ」とつぶやく、ひな壇の庄司智春。妻・藤本美貴が同様に不倫をしていたらたまらない、ということだろう。また、藤本の「モーニング娘時代の同僚」である矢口真里が、自宅不倫の嫌疑をかけられて雲隠れしていることも、不安を煽っているようだ。

 奇しくも、そんな庄司の相方・品川祐が出演していた19日放送の『有吉ジャポン』(TBS系)も、矢口の不倫疑惑をとっかかりにした【人妻浮気特集】だった。

恋愛じゃないんだよ結婚はァ!!

 番組では、総合探偵社・株式会社MRの2012年の調査によると、既婚女性の5人に1人が浮気経験あり、とのデータが出ていると紹介。ブログなどで浮気エピソードを堂々公開する人妻も(多くは釣りや創作ではないか、という見方もあるが……)いるうえ、大人の女性向けの性に関するハウツー書籍の売り上げが急増しているなどの事実を、SHOW-YAの「限界LOVERS」をBGMにしてたたみかけてくる。女性が性に対して開放的であるということと、不倫とは、完全なイコールではないような気もするが、とりあえず番組では不倫中の人妻たちが集うサークルに潜入し、彼女たちの本音を探っていた。

 レギュラー出演者の女医・西川史子先生(42)は、アシスタントの田中みな実(26)に「西川先生の周りには浮気してる人妻っているんですか?」と訊ねられ「いますねたくさんいますねー。やっぱ結婚したら……浮気は、だめだよね」と、どこか物憂げな表情を見せる。

西川「大事にしてくれない人との結婚だったら、次行ったほうがいいかなって思っちゃいますよね。私だって(有名人だからしないけど)テレビに出てなかったらわからない」

 番組が取材した「不倫中の人妻」3名は、いずれも40代で子持ちだが身綺麗だった。なぜ浮気をしてしまったのか問われ、彼女たちはそれぞれ

「ウチの主人は私に無関心」
「最初は寝旦那が浮気したんですよ、それでチキショウみたいな」
「綺麗にしてお出かけしようと思って主人を誘っても『家がいいよ』って。つまんない。浮気相手は情熱的なメールをくれるから楽しい」

 と回答。YOU似の41歳人妻はすでに夫に不倫がバレているが離婚問題に発展はしておらず、高岡早紀似の44歳は「離婚してもいいと思っている。むしろバレたらラッキー」と語った。

 VTR終了後、自身の周りでも不倫をする人妻が少なくない、と明かす元AV女優の峰なゆか(28)は、「一生旦那としかセックスをしない、なんて萎えるのでは」と問題提起した。

峰「私の周りでは、セックスレスが原因で浮気に走るという女性が多い。20~30代で、旦那さんからセックスを完全拒否されているとなると、【この先もう一生セックスしないのかな】となってしまう。結婚されてる方に聞きたいんですけど、この先ずっと旦那としかしないってなったら結構萎えるんじゃないかなって」

 これに「そうなんだよね、そうなんだよ~」と深くうなずく西川。

西川「私はね、38で結婚したからまだいいんだよ。でも25でしてたらどうなのかな。結婚しちゃったら建前上は旦那としかできないわけですよね。どうなんだろうなと思うんですよ」

 ここで田中みな実が「でもそれが結婚なんじゃないんですかぁ?」と絶妙な合いの手を入れる。

西川「そうなのよ、それが結婚なのよ? だけどやっぱり、ここから一回も恋愛できない人生って……寂しいんだよね」

みな実「でも旦那さんに対して恋愛してるぅ~ってことに……」

西川「恋愛じゃないんだよ結婚はァ~!」

 田中みな実は人をイラッとさせて本音を引き出すのがうまい。

離婚からの貧困

 「テレビ」という多くの人が目にして鵜呑みにしやすいメディアで「人妻不倫」が当然のことのように取り上げられると、大多数の既婚女性が不倫中だったり不倫願望を持っていたり、とあらぬ疑いをかけられそうで心配だ。しかし実際、筆者の周囲でも不倫経験のある既婚女性(20~30代)は3人いる。こんな媒体で記事を執筆しているから、不倫人妻と遭遇する機会があるだけ、という見方もできるが……。

 ただ、共働きで子供を持たないと決めている夫婦(DINKS)ならば、不倫しようがしまいが自己責任として片づけることもできそうだが、どちらかが無職(専業主婦・主夫)で生活費を片方に頼っていたり、子供を育てていたりする場合は、話が変わってくる。無職ではないにしても、いち会社員として働く既婚者は、タレント活動のほかにアパレル業やパワーストーン販売で年商50億ともいわれる稼ぎを持つ千秋とは、経済的自立度がまるで違うのだ。

 仮に「離婚したい」と望んで結婚生活を解消したとしても、その後、経済的、あるいは体力的、精神的に追い詰められてしまう可能性は誰にでもある。

 それを見越して、『ナイナイアンサー』で「離婚をすすめない」という提案をしていたのが、室井佑月(43)だ。室井はプレイボーイで有名な作家の高橋源一郎と結婚して長男をもうけたが3年で離婚。シングルマザーの道を歩んできた。そんな彼女は、

室井「新婚でもないのにアツアツな夫婦っているのかな?」

 と、「夫をもう好きじゃないから不倫する」という妻たちへ疑問を呈する。彼女いわく、「ずっとアツアツな夫婦も知ってるけど、それは変態だけ(笑)! 特殊な趣味なんだよ」。

 彼女はこの数年、子供の貧困問題について勉強しているという。そして、子供の貧困で悩んでいる家庭は、「シングルマザーがすごく多い」ということがわかった。夫婦仲が冷めきったから、という理由で離婚した場合、仮に夫側から慰謝料を受け取れたとしても、約100~300万円が相場。

室井「子供がいて、どれだけその慰謝料で食べていけると思う?」

 さらに、離婚成立時に課せられた養育費も、払わなくなってしまう父親がほとんどで、「10人中、1人払い続けてるかどうか」というレベルだという。

 室井は、子供をもうけた場合、夫婦に共通する最大の目的は「子供を育てること」になると言う。その目的を達成するためには、離婚は得策でないという考えに彼女は至った。

室井「子供を育てていくことを優先順位一番に考えた場合、ラブラブじゃなくなって顔を合わせてもフンってなる程度の“嫌い”だったら、一緒にいた方がいいと思うのね。私は(シングルで)頑張って働いているけれど、一度自分のすい臓に腫瘍ができたとき、すごく怖かったわけ。夫婦だったら、どっちかが倒れても、もう一人がいるじゃない」

 彼女は05年冬に、すい臓に腫瘍が見つかり、すい臓の半分と脾臓を摘出する手術を受けている。現在彼女の息子は中学生だが、当時まだ幼かったことを考えると、病気が発覚したときの彼女の「怖さ」は容易に想像できる。「私が死んだら、一体誰がこの子を育てるのか」。

室井「夫婦の目的が『子供を育てること』だと考えるのであれば、全然愛してなくても目的を同じものとする同志なわけですよ。だったら(ダブルインカムでないなら)旦那さんは外で頑張って働いてきてもらったほうがいいでしょ、それならいい気分でいてもらったほうがいい。妻は旦那がいい気分になることはすべきだと思うのね。夜遅く帰ってくるんだけどみそ汁をあっためてあげるとか。それがちょっとめんどくさいと思っても、目的を達成するためには健康で長生きしてもらったほうがいい。ごはんにおひたしを一品足したりとかさ」

 自身が離婚した当時は、まだ若かったこともあって「離婚しないほうがいい」ということは気付かなかったが、自らの両親を見ていると、「離婚しないで頑張ったら、最後には意外といい夫婦になる」ということがわかったという。彼女の父親は浮気三昧の男で、彼女自身はほとんど母子家庭のような状況で育ったが、母親は離婚しなかった。しかし母が病を患って寝たきりになってしまったとき、父親は外で遊ぶのをやめて介護に専念するようになったそうだ。両親の夫婦としての在り方を目の当たりにして、室井の考え方も変わっていったようである。

 では、子を持たない夫婦の目的とは何か。あるいは、子供が成人、結婚などして育てる義務がなくなったら。

 とくに女性は「みんなしてるし結婚したい」「産めなくなる前に受精したい」と逸る気持ちを覚えがちだが、仮に“とりあえず”結婚して子を持ったとしても、その後、夫が職を失ったり病気や事故に遭って働けなくなる可能性はあるし、子供が亡くなることもある。また、そもそも自分が子を産めない、あるいは夫が子を作れないという場合も。そうなったときに、夫と二人きりでも互いに寄り添って暮らしていきたいと思えるかどうか。一生旦那としかセックスをしないとしても、我慢できるかどうか。

 メディアは「人妻不倫」をもてはやしたり、「婚活」「妊活」を喧伝するより前に、そもそも結婚とは何なのかを考えた方がいいのではないだろうか。


http://mess-y.com/archives/2162
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